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臨床検査科

当院臨床検査科では、大きく分けて血液・尿・便等の検査を行う検体検査と心電図・超音波検査等を行う生理検査があります。

臨床検査科

検体検査

生化学自動分析装置
生化学自動分析装置

血液や尿等の体液や組織の化学成分を分析することによって、現在の体の状態を調べます。当院では、血糖、血液一般、生化学等を検査するため最新の自動分析機を使い、30分前後で血液等のデータを報告できるようにしておりますので、当日受けた検査結果を医師の診察時に聞くこともできます。その他、細菌検査、病理検査、免疫検査、輸血検査等様々な検査に対応しております。

  • 検査内容により、当日検査結果が出ないこともございます。

生理検査

生理検査心電図検査
  • 12誘導心電図
  • ホルター心電図
  • マスタ負荷試験
  • トレッドミル運動負荷試験
超音波検査
  • 心臓エコー検査
  • 腹部エコー検査
  • 甲状腺エコー検査
  • 頸部動脈エコー検査
  • 上肢下肢動静脈エコー検査等
神経内科検査
  • 脳波検査
  • 体性感覚誘発電位検査
  • 聴性脳幹反応検査
  • 視覚誘発電位検査
  • 誘発筋電図検査(末梢神経伝導検査 等)
  • 針筋電図等
その他
  • 肺機能検査
  • 呼気NO濃度検査
  • 視力検査
  • 聴力検査
  • 24時間血圧測定検査等

検査あれこれ

心電図について

心電図とは?

心電図検査中に「体がしびれる」、「体に電流が流れている」などと感じている方もいるようですが、それは逆なのです。心臓の筋肉はわずかな電気を生じております。その電気を心電計にて体の表面から記録したものを、心電図といいます。
記録された心電図からは脈の乱れや心臓肥大、心筋梗塞、狭心症などの疾患がわかります。
しかしながら、この心電図はその場での波形しか記録できません。より詳しく確かな診断のために、次のような検査があります。

運動負荷試験
運動することにより、心臓に負荷をかけてその前後の心電図の波形変化を見る検査です。階段を昇り降りするマスターや、動くベルトの上を歩くトレッドミルなど狭心症の診断に用いられます。
ホルター心電図
小型軽量の装置を体につけて一日の心電図を記録します。不整脈の数や、種類、狭心症の有無などを調べます。
心電図検査の行い方

心電図検査は、食事制限もなく、痛みや苦しみもほとんど伴わない、気軽にできる検査です。
検査時間もほんの数分です。検査をうけられる方は、次の点でのご協力をお願いいたします。

検査の準備
心臓の電気信号を読む電極というものを付けますので、左の胸から脇までが出るように、衣類を脱いだり、まくりあげてください。時計などは付けたままでかまいません。
検査中(1)
体の力を抜いて楽に寝ていてください。呼吸も普通にしていてください。また、手足は大きく動かさないようにしていて下さい。筋肉の動きが邪魔して、綺麗にとれません。
検査中(2)
やせている方などは胸の電極が外れやすくなりますが、外れても係りの者は必ず気付き、すでに記録した部位ならそのままにしておきます。
あまり気にする必要はありません。

運動負荷試験について

目的
狭心症・不整脈の診断や評価、薬の効果の判定、運動耐用能など検査します。
方法
数々の方法の中でも、一般的なものについての説明です。
1)マスター負荷試験

凸型の階段の昇降の前後で、臥位での心電図を記録します。昇降回数は、年齢、性別、体重に応じて決まります。その回数を1分30秒(シングル)、または3分(ダブル)の間に行います。昇降は一定の速さで続けます

2)トレッドミル運動負荷試験

速度や傾斜の変わるベルト上を歩行し、軽い負荷から段階的に負荷量を増加させます。
負荷の量と時間は、自覚症状や血圧、心電図異常の出現などから医師が決めていきます。そして運動前、中、後の心電図を経時的に記録し、その変化を見比べます。

ホルター心電図について

ホルター心電図とは長時間連続記録心電図のことで、長時間(24時間)日常生活の中の心電図を記録し、不整脈や虚血性疾患などの診断・治療において極めて有効です。
使い捨ての電極を胸に貼り、カセットテープよりも小さな機械を装着していただきます。
そして、記録中の自覚症状や行動などを所定の記録用紙に記入していただきます。
この機械は精密なもので、次の点に注意してください。

  1. 胸に貼った電極や機械は、水に濡らさないようにしてください。
  2. 機械をぶつけたり、落としたりしないでください。
  3. 電気毛布、ピップエレキバン、低周波磁器等の器具は使用しないでください。ノイズが混入し安定した心電図が記録できません。

腹部超音波・心臓超音波検査

何を調べる機械ですか?
腹部超音波検査装置
腹部超音波検査装置

肝臓・腎臓・膵臓・胆嚢・心臓・甲状腺等の臓器を体外から超音波をあてて見ていきます。
超音波なので苦痛もなく、さらにX線検査とは異なり被爆が無いことから非侵襲的検査法として繰り返し行うことが可能です。
検査は日常検査から精密検査、さらに緊急検査に至るまで幅広く用いられています。

どんなことをするのですか?

検査部位にゼリーをつけて探蝕子というものでみていきます。腹部超音波検査では、息を吸ったり吐いたりして検査に協力してもらいます。

所要時間は?

15分から30分程度です。

どんな注意が必要ですか?

腹部超音波検査では、検査時間に合わせて食事制限があります。看護師の指示に従って下さい。
検査は予約制です。早くできるように最大限努力していますが、時間が多少前後することがあります。

健康チェック辞典

尿の色調について

人体の排泄物である尿も、その成分からさまざまな事がわかり、病気の診断発見に役立ちます。
色もそのひとつ。普段目にする機会も多い尿の色、ご自分でチェックしてみましょう。

淡黄色〜こはく色の尿
正常の尿です。尿量がすくない時には色も濃くなります。
無色の尿
水分を多く摂った時には正常でも色が薄くなります。それ以外では糖尿病や腎臓の疾患などが疑われます。
赤色〜赤褐色の尿
血液が混じっています。腎臓や膀胱の炎症、結石などが疑われます。
褐色の尿(泡が黄色)
黄疸が出ています。肝臓や胆のうの疾患が疑われます。
  • 服用している薬剤により、色が変わる場合もあります。尿の色に変化があったら、まずは尿検査を受けてみましょう。

血糖について

血糖とは?

血中ブドウ糖のことです。食物から取り入れた糖類(ブドウ糖)は直接エネルギー源になったり、臓器や組織のエネルギー源として燃焼されたり、脂肪として蓄積されるなど、体にとって重要な役割を果たします。

血糖の正常値

血糖値は食事により変動します。

空腹時:70〜109mg/dl

血糖異常

高血糖の代表的疾患は糖尿病です。尿中にも糖が現れ、口渇、多飲や多尿をしめします。
生活習慣や遺伝的なものが関わるといわれ、放置すれば重い合併症も招きます。

尿糖について

なぜ尿中に糖がでるのか?

血糖のところで説明されていますが、糖分はエネルギー源として組織や臓器に送られますが、過剰に摂りすぎた分は体内で処理しきれずに老廃物とともに排泄されてしまいます。
昔は糖尿病の症状に一つとして、尿中に糖が出ていれば糖尿病と考えられていました。
しかし、最近では、「慢性の高血糖状態」つまり、なんらかの原因で血液中の糖濃度が常に高い状態にあること、と定義されています。

健常な人は、ほとんど尿糖は排泄されません。しかし、過食によりわずかに尿中に出てしまうこともあります。尿糖は直接的に血糖値を反映はしません。血糖値が正常でも、腎臓の機能障害により排泄されることもあります。(腎性糖尿)。
尿糖検査は、患者さんの負担も少なく、簡単なことから検診に用いられる検査の一つです。

HbA1c(ヘモグロビン エーワンシー)について

ヘモグロビン(=Hb)とは、赤血球にある蛋白で、体の隅々まで酸素を運ぶ働きをします。
赤血球の寿命は約120日で、その間Hbは血液中のブドウ糖と少しずつ結びつきます。
この結びついたHbをHbA1cといいます。

HbA1cは血糖値が高いほど多く出てきます。よって、HbA1cとは過去1〜2ヶ月間の血糖状態をあらわすのです。このためHbA1cは糖尿病の診断やコントロールの指標に用いられます。普通の血糖値では、その時の血糖状態しかわかりません。たとえば、検査前日から食事を抜いていれば血糖は低くでますが、HbA1cが高いと普段は高血糖状態であるとわかるのです。

また、糖尿病の方は目標値以下になるように、投薬や運動・食事療法を行っていきます。
このようにHbA1cの数値を測ることは、糖尿病にとって欠かせない検査なのです。糖尿病と診断された方は、自分の数値を把握しておく必要があります。

正常値  4.6〜6.2%

γ-GTPについて

γ(ガンマ)-GTPは健康診断での血液検査の項目にふくまれていることが多く、聞き覚えのある方も多いと思います。

γ-GTP上昇の原因は主に肝障害です。(肝炎・肝硬変・脂肪肝・胆道癌など)。なかでもアルコール性肝障害で著増します。
これは、肝に存在するγ-GTPがアルコールによって誘導され生合成の亢進が起こるからです。よって、アルコール性肝障害の早期発見に役立つ検査です。

男性  79U/L以下
女性  48U/L以下

健康な人でも、酒を多飲する人は、80U/Lほどの高い数値を示していることが多いと言われています。健康な人の場合は2〜3週間の禁酒で正常化することが多いのですが、肝障害の著明な人では、正常化するのに2ヶ月ないし、それ以上の禁酒期間が必要です。
日頃から大量の飲酒習慣がある方は、一度検査をすることをおすすめします。